■ ■ 孫 尚香 ■ ■
「妹を……任せるぞ」
「今日よりこの命、尚香様に捧げましょう」
「煉にいさま〜お散歩、連れて行って?」
後ろをひょこひょことついてくる。
護衛だからと言って君の手をとろう。
「尚香様、そろそろ帰りませんか」
「敬語やめてって言ったでしょ煉兄様」
すると優しく微笑むの。
そんなアナタが好き。
「私…お嫁に行かなくちゃいけないんだって」
「ねぇ…煉兄様、お願い…答えて」
「あなたが…孫尚香殿、ですかな」
「あなたの護衛ですから。逃げるの…お手伝いしますよ」
「ありがとう、煉兄様。さぁ速く行きましょうっ」
「俺は…ここまでだよ。尚香」
こんな最後に…昔に戻るの。
アナタって狡い。
私はずっと、後に続く言葉を待っていたのに。
from old days
愛してる。
その言葉ももう遅い。