「。急な話だが、お前には嫁いでもらう」
「嫁……ぐ?」
「左様」
「相手方は」
「了承済みだ」
「…なら断る理由もありません」
階段の途中 [0]
「……やけに素直だのぅ…」
「〜〜父上。なら断っても良いのですか?」
「駄目」
「ほら」
やれやれと、正していた姿勢を崩して楽にする。
父も一息ついて姿勢を崩した。
なんでまた急に結婚なのよ……
「恋愛とか、結婚とか。あまり興味がな――――」
「お前はまた!そんな事言っとったら……行かず後家になってしまうわい」
「だって私、まだ17ですよ?!」
「もう17だ!」
にらみ合いを続ける私たちだが、父が先に折れた。
「ま、この縁談は向こうから言ってきたものでな。こんな変わり者を…と感激したものだ」
「そうなの?ふ〜ん……どんな風でした?」
申し込まれた、というのに少し興味がわいたので聞いてみたが。
ああ、なるほど。
・
・
・
「時に、殿には娘御がおられるとか」
「はぁ。風変わりな奴でしてな…もらい手が現れてくれるか心配で心配で」
「ほぉ。……ふむ。ものは相談なんですがな、殿」
「はい?」
「わしにも息子がおりまして…どうですかね?息子と、宅の娘さんと」
と、いうことらしい。
……ちょっと待って。今のじゃ相手方から申し込まれたというよりも……
「親が勝手に決めただけじゃないですか!!」
「や…そうだが……さきほど連絡が入ってな。ちゃんと承諾してくれたようだ…から…」
「父上!!」
〜〜何よそれ!!
そんな事なら話は違うわ。
「父上、このお話はなかったことに……」
「駄目」
「駄目って…」
「家同士の縁のためだ。な?」
「〜〜〜〜っ」
一度は頷いたこの縁談。
これも何かの運命というのでしょうか…。
私は仕方なく頷いた。頷いた所で、はたと気づいた。
「あの父上」
「もう断るのは無しだぞ?お前はいま頷いたな?二度も承知したのだか―――」
「もう断りませんよ……相手のお名前は」
「お、そうだったの。……驚くぞ?」
「?」
「真田幸村殿だ」
今日の騒ぎも、結婚生活前のほんの前触れにすぎない。
噂で聞く名高い武将との縁談
親同士が勝手に決めたのだという不安
はたして、どんな生活が待っているのやら。
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幸村夢、始めました。。
ただ…管理人は学がないので結婚した女性がどのように過ごしていたか、
武士の私生活、などよく分かっていません(ヲイ)
設定的にオリジナルに近くなると思われます…すみません。
++ 美空 ++